不正を隠蔽していたのは金融庁だったという衝撃の事実

2022年11月12日

2019年5月24日、金融庁から西武信金に対して発令された業務改善命令

この命令には西武信金の様々な不正の事実が記載されていました。しかしながら金融庁が行ったことはある意味それっきり。不正があった、それによって被害者が存在していることが明らかであるにも関わらず、以降何もしようとしない(としか思えなかった)金融庁。

監督官庁である金融庁はなぜ何もしないのか?不正をどこまで具体的に把握した上でこの命令を下したのか?

その経緯がわかる行政文章を自分の目で確認したいと思い、私はネットで調査できる範囲で存在する行政文書を調べました。その結果、いくつかの資料が存在していることを確認できたため、それらの情報開示請求を金融庁に提出、そして実際に情報開示自体はされました。ただし「大きなのり弁」で。

フ・ザ・ケ・ル・ナッ!

国民を愚弄しているとしか思えないこの行為に対抗すべく次に私が行ったのが、のり弁で開示された2件の資料の不服申立・審査請求。

相当の時間がかかりましたが、先日やっと結果が出ました。1件は却下されたものの、もう1件は逆に一部開示との決定でした。

今回、その一部開示の資料が届いたので報告します。

裁決書

9月某日、金融庁から封書が届きました。

何度この封書を見たことか、、、。

そこに入っていたのは以前にも見た「裁決書」、そして「一部開示された資料」及び「以前に開示されなかったものの、今回の答申により新たに開示される資料の手続き」等々。

主文

開示理由

この理由によって明らかなことは、先ののり弁は

そもそも開示しても何ら問題なかったであろう部分をあえて隠した行政側の悪意ある行動

とうことでしょう。そのとばっちりを受けて私はさらなる工数と時間を浪費させられたわけです。

同様にこれ以降に不開示の理由も書いてありましたが、それは前回の却下のときと同じような文言。その理由に納得できない部分も多々あります。何よりも国民主権を無視、「お上が決めたこと、下々の民がそこまで知る必要なんてねぇんだよ」といういかにも行政庁の上から目線。

この不開示の部分をさらに突っ込むことも制度上は可能なのですが、、、かなり面倒くさい手続きを踏む必要があるだけでなく、何よりそこまでやってもかかる時間と工数に見合う成果を得られる保証がありません。ということから、これら行政に対する一連の情報開示請求はここで一旦終了と考えています。

一部開示の決定

開示決定された部分です。

55ページと57ページはそもそも開示されていないため、それらを出してもらうためには新規で資料を発行してもらう手続きが必要となります。まあ、そのぐらいはやりますけど。

開示された内容

今回開示された資料は、金融庁が西武信金に立入り調査した際のレポート。金融庁は2019年5月24日に西武信金に対して業務改善命令を発令しましたが、その判断を下すために西武信金に対する調査を半年前の2018年10月22日に行っていました。

そもそも私はこの資料の存在を把握することができていなかったため、最初に私が行った情報開示請求にこの資料は入っていませんでした。ただ、その最初の請求によって開示された資料の中にこの存在が記載されていたため、それを元に追加で開示請求したものでした。

この資料とて最初に開示されたのは大きなのり弁。当然のようにこの資料に関しても不服申立・審査請求を行い今回の結果となりました。

2ページ目

真っ黒だったものが一部読み取れるようになりました。ここに何が隠されていたのか?それに対して今回どこが開示されたのか?それをわかりやすくするためビフォーアフターで並べてみました。

開示された部分は

  1. 今回検査
  2. においては、信用リスク管理体制につ           
  3. いては、
  4. 賃貸用不動産向け貸出に関し、関係書類の偽装・改ざん等  
  5. を検証した。
  6. 法令等遵守態勢については、反社会的勢力の排除への取組や、マネー・ローン
  7. ダリング及びテロ資金供与防止(以下、「AML/CFT」という。)態勢等に関し、管理態
  8. 勢及び対応状況を検証した。
  9. 経営管理態勢については、
  10. 内部統制機能の発揮状況及び理事長に対するけん制機能の発揮状況を検証し

つくづく思うのは「これを隠す意味、どこにあったの???」ということ。

イチイチ文言を読んで開示して良い部分とダメな部分を切り分けるのは面倒臭いからダメな表記のある項目は全部隠しちゃえ!

明らかに行政の不作為だったと感じます。

5ページ目

ここはほんの一部だけ。

  1. 今回検査において、賃貸用不動産向け貸出
  2. 検証を行った。

「賃貸用不動産向け貸出」この文言は重要です。金融庁は最初から問題意識をもって調査していたという証明でしょう。

8ページ目

こちらも開示されたのは極一部ですが、開示された部分は今回の業務改善命令の不正の肝だと確信しています。ですのでもっと広く開示して欲しかったところです。

  1. メール
  2. を検証した。
  3. 当金庫職員によるER    の修正指
  4. 示などの不適切な活用実態が明らかとなっている事例が、  258物件 認め
  5. られる
  6. 127件
  7. 当金庫による債務者面談調査の結果、何らかの偽装等が発覚(73件)

これは大問題では???

金庫職員が不動産の専門家に改ざんを指示・示唆していたのが258件、不芳チャネル(=業者)による不正の可能性のあるものが127件あったことは、業務改善命令を受けた当日に西武信金から発表されていましたが、金融庁からの発表では「多数」とぼやかしており、詳細は把握していない風を装っていました。この「装っていた」と受け止める理由は、下記の質問主意書の回答のとおり「何を指しているのかわからない」と答えていたことからでした。

しかし、その具体的な数字を金融庁も業務改善命令発令前から把握していたことが明らかとなりました。にも関わらず、金融庁は私からの再三の問合せに対して現在まで知らぬ存ぜぬを貫き通していたわけです。

12ページ目

ここにも金融庁が事前に258件の不正があったことを把握していたことが書かれていました。

  1. メールを確認したところ、  258物件において

「メール」の前の部分が引き続き黒塗りされているので必ずしも明らかではありませんんが、8ページ目に続きここでも「メール」という文言があることから、メールでやり取りしていた不正の証拠が258件あったと受け取れます。ということは金融庁はそのメールの内容自体も把握していたと思われます。であれば、その中に私の案件の有無を確認することは十分可能だったはずですし今でもできるはずです。

西武信金に対する個人情報開示請求においては開示の全てを拒否されてしまいましたが、金融庁から開示してもらえればそれだけで事実はすぐにわかります。

13ページ目

こちらは不芳チャネルの話しです。

  1. ャネルによる関係資料の偽装・改ざんを看過している事例   127件
  2. 認められた。

こちらの記載は私がずっと追求している本問題ではなく、スルガ銀行やアルヒ・アプラスのアパマン不正融資問題と同じような手口のものですね。不芳チャネル(=業者)から持ち込まれた不正な資料を見逃し(黙認?)じゃんじゃん融資をしていたということです。

そして、西武信金はこちらの不正に関しては被害者と面談してそれなりの対応をしていることが発表されており上記8ページ目にもそのことが記載されています(127件や73件)。しかし、私が不正を訴えている「不動産の専門家と共謀した」258件の証拠が残っている不正融資に関しては何もしていないのです。

過去の質問主意書の回答

以前に浜田聡参議院議員から質問主意書を提出していただきましたが、そのときの政府(金融庁)からの回答は「証拠の残っていた258物件の詳細状況の意味するところが必ずしも明らかではない」とのことでした。

参議院議員浜田聡君提出、国がお墨付きを与えた西武信用金庫による不正融資に対する政府の調査姿勢に関する質問に対する答弁書

一について

お尋ねの「証拠の残っていた二百五十八物件の詳細状況」の意味するところが必ずしも明らかではないが、一般に、金融機関の個別の融資事案の詳細については、当該融資先の正当な利益を害するおそれがあること等から開示を行うことは困難である。
 なお、金融庁においては、行政処分の内容及び理由について、他の金融機関等における予測可能性を高め、同様の事案の発生を抑制する観点から、公表を行っており、御指摘の関東財務局による西武信用金庫に対する行政処分についても、同様の趣旨により公表を行ったものである。

https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/201/touh/t201150.htm

一体何を言っちゃっているんでしょう。金融庁はこの「証拠の残っていた258件」の意味を2018年10月22日の時点でとっくに知っていた数字であったことがこの開示により明らかとなりました。すなわち

何を意味していたかは火を見るよりも明らか

だったのです。

そして「当該融資先の正当な利益を害するおそれがある」とのことですが、当該融資先のひとつである私自身の正当な利益を害され、多額の被害を被っているからこそ監督官庁にヘルプを発し続けてきたわけです。しかし、金融庁及び西武信金は今日現在、被害者に対して何も講じていないどころか、知らぬ存ぜぬを貫き通しています

監督官庁の役割

任務(金融庁設置法第3条)

金融機関の監督官金融庁は、我が国の金融の機能の安定を確保し、預金者、保険契約者、有価証券の投資者その他これらに準ずる者の保護を図るとともに、金融の円滑を図ることを任務とする。

これが金融庁存在の法的根拠です。しかし、本件の経緯を見る限り、少なくても「預金者の保護」は無視しているとか思えません。

本件に関して現在までの経緯を以下に並べてみます。

  • 2018年10月22日 金融庁が西武信金に内部調査
  • 2019年05月24日 関東財務局が西武信金に対して業務改善命令を発令(被害者救済不問)
  • 2019年06月28日 西武信金が業務改善計画を発表(被害者救済の表記なし)
  • 2020年06月15日 参議院にて質問主意書の提出
  • 2020年06月26日 政府から質問主意書の回答
  • 2020年08月28日 金融庁に対して情報開示請求発送
  • 2020年09月28日 金融庁からのり弁資料の開示
  • 2020年10月03日 のり弁を不服として総務省に対して審査請求を提出
  • 2021年01月07日 西武信金に対してADR申立
  • 2021年04月23日 不動産鑑定士を提訴
  • 2021年04月26日 西武信金との和解が成立(証拠不足のため圧倒的に不公平な条件)
  • 2021年07月08日 情報公開・個人情報保護審査会より「一部開示すべき」との答申が出される
  • 2021年09月02日 金融庁が一部開示した資料を発送

約3年間の金融庁の不作為のために、私は西武信金とは不平等な、納得できない条件での和解を仕方なく成立させました。もし金融庁が既得権よりも法律を重視し預金者保護を優先、最初から今回の資料が開示されていればこのADRの和解内容は一変していたでしょう。

せめて不動産鑑定士との訴訟においては、この事実を基にさらに被告に対して追求していく所存です。

結論

今回の開示により

金融庁は2018年10月22日時点で不正の内容を詳細に把握していた、すなわち先の質問主意書の回答は虚偽である

と判断します。

  • 258件の不正があったことを業務改善命令発令以前の2018年10月22日に既に詳細を把握していた
  • にも関わらず、業務改善命令においてはあえて「多数の」と具体的な数字をぼやかしていた
  • 不正の証拠はメールで残っていることを把握していたにも関わらずその事実を一切発表せず
  • 審査請求の答申によれば、そもそも隠す意味のないものであるとの判断が下されている
  • 重要な情報を隠したまま質問主意書の回答でもすっとぼけていた
  • この不正による被害者の存在を今なお無視し続けている

これらの事実が明らかにとなりました。

そもそも金融庁設置法によれば

(任務)
第三条 金融庁は、我が国の金融の機能の安定を確保し、預金者、保険契約者、有価証券の投資者その他これらに準ずる者の保護を図るとともに、金融の円滑を図ることを任務とする。
2 前項に定めるもののほか、金融庁は、同項の任務に関連する特定の内閣の重要政策に関する内閣の事務を助けることを任務とする。
3 金融庁は、前項の任務を遂行するに当たり、内閣官房を助けるものとする。

(所掌事務)
第四条 金融庁は、前条第一項の任務を達成するため、次に掲げる事務をつかさどる。
一 国内金融に関する制度の企画及び立案に関すること。
二 次号イからアまでに掲げる者の行う国際業務に関する制度の企画及び立案に関すること。
三 次に掲げる者の検査その他の監督に関すること。
イ 銀行業又は無尽業を営む者
ロ 銀行持株会社
ハ 信用金庫、労働金庫、信用協同組合、農業協同組合、水産業協同組合、農林中央金庫その他の預金又は貯金の受入れを業とする民間事業者

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=410AC1000000130

金融庁が守るべきものは金融の機能の安定と預金者保護であり、やるべきことは金融機関の検査その他の監督です。しかし、今回の開示により「不正の被害者を放置」&「不正を働いた金融機関を守る」ということが明らかとなりました。

積極的に情報を隠蔽し被害者を無視、既得権益の保護を続けてきたのは金融庁だった

これは私を、すなわち国民を欺く行為だと受け止めます。この結果を受けて今後どうするかはちょっと考えます。