【裁判】第3回:口頭弁論

2022年11月12日

不動産鑑定士を相手取った損害賠償請求の裁判ですが、先日、その3回口頭弁論が行われました。

裁判の争点

これは以前から書いていますが、ブレる、ぼやけることのないように毎回表示しておきます。

  1. 被告の作成した不動産鑑定意見書の記載内容が法律に則った正規の手法により正当に作成されたものであるか?
  2. この意見書と原告の損害との因果関係

被告からの準備書面

本来、被告から提出されるべき準備書面は、上記争点の「1」を明確に証明すべきものであるはずでした。もちろん「2」に関しても被告から見た際の主張はされて当然だと思いますが、まずは「1」でしょう。

しかし、第2回口頭弁論に向けて事前に提出されていた準備書面には「1」の記載のほとんどなく95%は「2」。それとてそもそも法的根拠なし、支離滅裂、単なる個人の想像や感想とメチャクチャでした。

そこで第2回口頭弁論の際に裁判官から被告に対し準備書面の再提出を求められていました。そして新しい準備書面が期限どおりに出されたものの、、、やっぱりメチャクチャ(かつルール無視もあったようです)。

原告からの反論

もはや付き合っていられないという思いもありますが、それはそれとしてこのメチャクチャな内容の2回目の準備書面に対しても一応カウンターを作成、裁判所に提出しました。

答えはひとつ

原告の主張と反する部分はすべて否認ないし争う

ここまでの前提が整った上での第3回、です。

口頭弁論での議論

第3回口頭弁論は9月某日の11:30開廷、そして約10分で呆気なく終了しました。

ゲームやドラマなどで見かける「異議あり!」とか「裁判長!」とかは全くありません。原告と被告から事前に提出されている準備書面の内容を確認した上で争点・論点を明確にし、裁判官から次回の日程の打診され原告被告がOKすれば決定、そして次回までの宿題をもらって閉廷、そんな流れです。

今回、裁判官から原告、被告に出された宿題は以下のとおりです。

原告への宿題

争点「2」に関して不正と被害の因果関係を「主観的」及び「客観的」に説明する資料の提出を求められました。簡単に言えば

  • 主観的:不正の有無によって購入の意思に変化があったのか
  • 客観的:不正の有無によって購入できる・できないの違いがあったのか

私個人の見解は「とっても簡単な話じゃん」と思っていました。主観的・客観的、どちらにしても不正がなければ融資額、返済期間ともに希望を満たさず、結果として「買えない」ことは明らかだからです。

ただ、弁護士はもう少しシリアスに受け止めていました。この説明が原告の過失に直接繋がってくる話しになるので「表現の仕方は慎重を期す」ということのようです。こちらとしては何らやましいことはないので、その表現方法は弁護士に一任しています。

被告への宿題

前回に引き続き今回も全く進歩のない被告の立ち振舞い、これには裁判官も相当怒っていました。

法律上の正確な定義を理解していないまま専門用語だけを多用していることは受け入れがたい(知ったかぶっているだけ、理解すらしていない言葉を二度と使うなボケがっ!という感じ)

その上で

  • 本裁判に全く無関係と思われる証言が多々見受けられる。そしてほぼ全ての証言に対して立証趣旨が抜けているため答弁書を再提出
  • 原告から出されている求釈明への回答

今回の裁判官からの指示により、約95%を占めている原告の個人的な感想や思い込み、さらに本裁判とは無関係な主張や証拠は全て却下される見込みとなりました。この指摘を受けて、次に原告がどんな書面を出してくるのか?楽しみでしかありません。

弁護士の見解

今回は約10分と超短時間で終わってしまいました。1ヶ月に1回ペースでこの進め方、決着までにはまだまだ時間がかかりそうです。それはそれで受け止めるしかありません。

あまりにもあっという間に終わってしまったため、口頭弁論終了後に弁護士と打合せを行いました。弁護士の見解としては「不法行為に対する裁判官の心証は、たぶん我々にとってポジティブに受け止めていると思われる」とのことでした。

その理由は、本来であればもっと被告の過失に対して原告、被告両者に対して確認や追求をされるべきとのことでした。そして、それをやらない理由は「裁判官は既に不正があったことを事実として受け止めている可能性が高い」とのことでした。

そもそも明確な法律違反であることを訴状に記載しており、かつ証拠も添付していることに対して裁判官からの質問がないこと。さらに被告の答弁の論理が破綻していることを我々から以前から複数指摘しているにも関わらず、その点に関して裁判官から被告に確認しないこと、これはもう「そこまでの必要を感じていないからでは?」という受け止め方のようです。

ただ同時に「不正の有無よりも先に因果関係を明確にさせたいという思いかも知れない」という考え方もあるということで、引き続き慎重に対応していくことにしました。

さらにこれが一番大事なことなのですが、現時点ではまだ不正と被害の因果関係を認めてもらっていませんので

不正 ≠ 損害

不正があったとしても、それによって被害があっとことを正しく主張し、裁判所に受け入れてもらわなければなりません。

「≠」を「=」や「≒」と裁判官に判断してもらうためには争点の「2」をしっかり立証していく必要があるのです。

次回は10月中旬で設定されました。

ネット上での被害者の声に思うこと

上記の争点と同じ話しになりますが、司法を使った損害賠償請求においては

  • 不正・不法行為の立証、証拠
  • その行為と損害の因果関係の証明
  • 過失の有無

これらが必要条件になります。

私自身、情報収集のためにSNSでアパマンローンの被害者の声をチェックしていたりもしますが、その発信のほとんどが被害者妄想でしかないように感じてしまいます。いくら「騙した加害者が悪い!自分は被害者!」と叫んだところで自分が動かないことにはそこから何も解決しないどころか、日々悪い方向にしか進みません。中には「それは明らかにあなたの過失です」という書き込みも多々見かけます。

解決に必要なのは上記の項目と的確なアクションです。これらの武器を持たないまま丸腰で司法に持ち込んでも勝てる可能性はほぼありません。よってまず弁護士を見つけることすら難しいでしょう。そして行政も動きません。

不正自体はあったのだと思います。しかし、業者や金融機関の不正があったとしても、契約書に記名押印したのは被害者、これは明らかに重過失です。契約さえしなければ被害は発生しなかったのです。もっと言えば、住宅ローンを使った収益物件の購入は購入者の不法行為であり自称被害者は加害者、実際の被害者は金融機関となってしまいます。

「そんなリスクがあることを知らなかった」は通用しません。法律を知らなかったから何をしてもいい訳がないことなど小学生でもわかることでしょう。

もちろん、騙すほうが悪いに決まっています。しかし、だからと言って騙されたほうは何も悪くない、とはならないのです。「騙されて契約したから白紙撤回!」世間はそんなに甘くありません。不動産に限らず、世の中には手を変え品を変え、詐欺的な行為は日常的に発生しているのです。そしてその被害者の損害が100%回復されることもほぼありません。「被害者側にも一定の過失がある」と考えられるのが普通です。

参考例として自動車事故を取り上げます。例えば自動車同士の接触事故において加害者側に圧倒的な過失があったとしても被害者側は「完全停止状態」でない限り、被害者にも相応の過失が発生します。「こっちはぶつけられたんだから100:0だっ!」は通用しない、それが司法の世界です。

収益不動産の購入には様々なリスクがあるのになぜ契約したのか?それは「不労所得」「老後の資金」「節税」「相続」、、、これらはお金に対する色気でしかなく契約の積極的な動機=過失と認定されてしまいます。

その過失相殺の割合、すなわち被害者の過失をどれだけ小さくするか、そのためにはどれだけの不正の物的証拠を集められるかが勝負になると思います。

あとは戦う相手を間違えないことも重要です。金融機関を叩いている発言をよく見かけますが、不動産売買における加害者は「業者」であることのほうが多いと思います。黒幕は金融機関だったとしてもその立証のハードルは相当高く、立証できない=負けです。

収益不動産の購入における契約事項は「物件の売買契約(重要事項説明も必要)」と「融資契約」があるはずです。多くの被害者は「融資契約」を問題視しているように感じますがそこで争うハードル、立証責任は相当に高いです。まずは、または並行して「売買契約」こっちにフォーカスしたほうが戦いやすいような気がします。ただ、そこで二重契約や不正を知った上での契約であれば戦う以前の話しになってしまいますが、、、。

被害を早急に、少しでも回復したいなら、自ら汗をかいて必要な情報を集め適切な対応を取って下さい。そして仮に一切の主張が認められなかったとしても命までは取られません。「破産」は国による復活に向けた救済措置です。最悪の結果が破産だと捉えれば、それまでにやれることはまだまだたくさんあると思います。ぜひとも諦めずに戦って下さい。