【情報開示請求】旧統一教会における「黒塗り開示」に見る行政を歪める不法行為

2022年11月5日

ここにきて急に旧統一教会に対する文化庁の対応が問題視されています。

既視感のある不開示理由

旧統一教会の名称変更めぐる「黒塗り開示」に批判 文化庁に理由を聞いた

https://www.j-cast.com/2022/07/27442650.html?p=all

共産党の宮本議員から文化庁に対して名称変更の決裁文書の開示請求を行ったところ、変更理由が黒塗りになっていたとのこと。この黒塗りに対して文化庁の説明では「誤解がないように話しますが、今回に限ってのことではなく、すべての法人に対して同様に開示していません」と回答したそうです。

開示しない理由については

情報公開法第5条2号のイに基づくと説明した。そこでは、行政文書開示について、「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」の情報を除くとされている

この定型文、私も過去に何度も目にした文字列です。

情報公開法第5条2号のイとは

情報公開法(正式には「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」にはこのように記載されています。

(行政文書の開示義務)

第五条 行政機関の長は、開示請求があったときは、開示請求に係る行政文書に次の各号に掲げる情報(以下「不開示情報」という。)のいずれかが記録されている場合を除き、開示請求者に対し、当該行政文書を開示しなければならない。

二 法人その他の団体(国、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、次に掲げるもの。ただし、人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報を除く。

イ 公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=411AC0000000042

もちろん、開示によって当該法人・個人の地位や正当な利益を害してはならないと思います。しかしながら、その黒塗り部分に本当に地位や利益を害する情報が記載されているのか???黒塗り開示ではその判断が全くできません。

法の趣旨を無視した一方的な運用

そもそも同法によれば、第一条にその目的が記載されています。

(目的)
第一条 この法律は、国民主権の理念にのっとり、行政文書の開示を請求する権利につき定めること等により、行政機関の保有する情報の一層の公開を図り、もって政府の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにするとともに、国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資することを目的とする。

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=411AC0000000042

果たしてのり弁対応はこの目的を遵守していると言えるのでしょうか?

本来、行政の持つ情報は主権者たる国民のものであり、法の趣旨を考えれば大原則は公開のはずです。ただ、全てを公開することによって個人・法人に不利益がかかってはならないということから最低限の非公開は許される、と解釈されるべきであるにも関わらず、それを拡大解釈して

その項目全てを黒塗り対応

これは法の趣旨を無視した行政による積極的な情報隠蔽工作でしかありません。

何ら問題のない一般情報であっても行政側だけで「開示に問題がある」と判断すれば全て黒塗りにできてしまうのが現状の運用です。これでは、国民の知る権利が無視され、行政側の積極的な隠蔽を黙認しているのと同意です。

行政側のやりたい放題が許される環境

その結果のひとつが、私に対する情報開示でしょう。

これは西武信用金庫のどこかの支店の担当者と不動産鑑定士等の間でやり取りされたメール履歴ですが「西武信用金庫」という文字列以外、全てが黒塗りとされています。

私は1700枚以上の情報開示を受けましたが全てこれ、「西武信用金庫」という6文字以外は全て黒塗りされていました。

その黒塗り理由は上記のとおり「情報公開法第5条2号のイ(または法5条6号イ)」とされているのですが、果たして「送信日時」「添付ファイル名」や「本文の全文」が該当しているはずがありません。

法に該当していない情報の隠蔽、この対応は

行政の虚偽、不正、不当

と考えています。

国民の知る権利

そもそも、金融庁が西武信用金庫に対して業務改善命令を発した理由は以下のように明記されています。

第2.処分の理由

(1)投資用不動産向けの融資にあたり、形式的な審査にとどまり、不適切な信用リスク管理態勢となっている。

i. 融資実行を優先するあまり、融資審査にあたり、投資目的の賃貸用不動産向け融資案件を持ち込む業者による融資関係資料の偽装・改ざんを金庫職員が看過している事例が多数認められる。

ii. 投資目的の賃貸用不動産向け融資について、融資期間に法定耐用年数を超える経済的耐用年数を適用する場合には適切な見積りが不可欠である中、経済的耐用年数等を証する書面を作成する外部専門家に対し、金庫職員が耐用年数や修繕費用等を指示・示唆するなどの不適切な行為が多数認められる。

https://lfb.mof.go.jp/kantou/rizai/pagekthp027000005.html

私は一国民としてこの判断を下した理由となる資料の開示を金融庁に求めただけです。業務改善命令には具体的な数字が記載されていませんが、少なくても258物件において不正があったことを金融庁が事前に判断していたことは私が行ってきた一連の情報公開によって確認できています。

不正があったと金融庁が判断した資料を国民が確認することに何の問題もないと考えています。しかし、金融庁はその資料を積極的に隠蔽し続けています。

国民に何の情報も開示せずに監督官庁の意思ひとつで不正か否かを恣意的に判断できてしまうこと、それ自体が不正の温床、既得権益化してしまうことになると考えています。

法の趣旨から考えれば原則は開示であり、黒塗り対応する際には、少なくても利害関係のない第三者による確認が必要だと考えます。

金融庁は民事事件化、刑事事件化をさせたくない?

不正があったということは

被害者がいる

ということです。

私は、私を含めた被害者救済のために西武信用金庫の一連の不正融資の闇を暴くべく、その情報を保有している金融庁に開示を求めているのです。

金融機関に対して既得権益を持つ金融庁は行政処分の権限を持っていますが、逆に言えば民事処分や刑事処分はできません。民事や刑事は国民や司法が動かなければ何もはじまりませんが、国民や司法が動くためには何よりも不正の証拠が必要です。

その証拠を持っているのは現時点では加害者側である西武信用金庫と不動産鑑定士等、そして監督官庁である金融庁だけなのです。しかし、加害者側から積極的に証拠を出してくるわけがありません。民事においては自分たちに都合の悪い証拠を出さないことも認められている権利です。

刑事事件化すれば、警察、検察の捜査権によって調査することもできますが、その刑事事件化するに当たってもそれなりの証拠が先に必要となります。すなわち、金融庁が情報開示しない限り、この不正融資問題は何も解決しない可能性が高いのです。

行政機関は、刑事訴訟法第239条による告発の義務を負っていることになっていますが、これも運用上何とでもなることになっており、実際には本件において告発もされていません。

今までの金融庁の一連の対応を見る限り、西武信用金庫の不正融資事件において金融庁は被害者救済など1ミリも考えておらず

このまま何もしないで忘れられるのを待つ

というスタンスなのでしょう。

果たしてそれが金融行政を担う、国民の資産を保護するという金融庁の役割を全うしているのか?甚だ疑問に感じています。