【裁判】第9回:口頭弁論

前回からだいぶ時間が空きました。

久しぶりの裁判所、いたずら対策として銘板に保護カバーがかけられていました。
ここまで時間を開けた理由は、原告の主張を裏付けることを目的に「西武信用金庫に対して弁護士会から23条照会を行ない回答を得るため」でした。
争点整理
本題に入る前にこちらから。
原告の主張
被告の不法行為により被った損害の賠償を請求する
被告の主張
原告からの依頼により物件修繕後の鑑定評価意見書を作成したのであって不正は一切ない
これらの主張に対して、原告・被告からの法的根拠、立証、反論等を行う口頭弁論が続いています。
判決を確定するのに十分な主張・立証が揃ったと裁判所が判断すれば口頭弁論は終結し必要に応じて尋問が行われたのちに判決が下されます(または和解)。しかし、被告は一貫して本人訴訟で対応していることもあり、裁判所の求める最低限の法律や裁判の知識を持たない状態で意味不明、支離滅裂な主張や答弁を続けているため、なかなか前に進まない状態が続いているというのが現状です。
そんな中で今回はどちらかと言うと原告側のターン。不正な鑑定評価と損害の因果関係を立証する手法のひとつとして西武信金からの見解を得るよう裁判所から要求されていました。
西武信金からの回答
弁護士会による23条照会を行うこととして回答までに1ヶ月以上の時間を設けていましたが、結果として西武信用金庫からの回答はありませんでした。これは私の予想どおりでもあります。
そもそも原告の今までの主張は主観的、客観的に法的根拠を満たしていると考えています。それでもなお23条照会を行う理由は上記のとおり裁判所から求められていたからでした。
しかし、そもそも原告と敵対的な関係にある西武信用金庫が原告側の主張を裏付けるための調査に対して前向きな回答する可能性は限りなく低い、仮にあっても原告に有利な回答をしてくるわけがないと思っていました。そして現実としてそのとおりとなりました。これ以上待っても西武信用金庫が回答してくる可能性は低いでしょう。
被告からの新たな主張
上記のとおり、本訴訟における原告・被告の主張は既に明らかとなっており、その裏付け・立証のための口頭弁論が繰り返されてきました。しかし前回、被告から突然、今までの経緯を覆す新たな主張を行ってきました。それは
鑑定評価作成依頼者は西武信用金庫であり、被告と原告の間に契約関係はない
というものです。ここにきて被告は「自分は当事者ではない」と言い出してきたのです。そして今回期日直前にまた意味不明・支離滅裂な長ったらしい準備書面を提出してきました。
契約関係にないのだからそもそも訴えられる理由がない
被告が作成、発行した鑑定評価書作成報酬の請求書の宛名は原告(私)、その成果物である鑑定評価書の宛名も当然原告になっています。そしてこれらの資料は裁判当初に証拠として原告側から提出しています。にも係わらず、被告は今になってこんな主張をしてきました。宛名に関して被告の説明はさらっと「便宜的にそうしただけ」とのこと。
これには裁判官も相当呆れた感じで対応していました。まずは最初から現在まで続いている今回の訴訟とは無関係な部分(これが相当に長い)に対しては裁判官が文句を言った上でバッサリ切り捨てました。ただそれでも
被告が行った不動産鑑定の契約の相手は誰なのか?
この部分だけは裁判官も争点として残してきました。
原告としては当然に異議を唱えました。今までその部分を争点として議論されたことはなかったのに急に争点化することは今までの議論が無駄になるからです。また、相当の時間を経過して新たな主張をすること自体が不当であるということも。しかし「原告が契約の相手先であると立証できれば無駄にはならない」としてこの点は争点のひとつとして今後原告、被告両者から立証していくことになりました。
立証方法
23条照会に反応がないため、次のステップとしてできることは西武信金に対する
裁判所の調査嘱託
弁護士会からの依頼よりは重みが増します。しかしこれとて任意であり必ず回答が来るという保証があるわけではありません。そこで、より回答を得る可能性を上げるためとして「原告・被告の連名で調査嘱託」を検討したいと裁判官に打診、了承を得られました。
原告と被告が名を連ねた上で「被告と契約したのは原告ですか?それとも西武信金ですか?」を問うことにより回答の可能性を上げる算段です。ただし、それと同時に先に23条照会で問い合わせていた内容も再び確認することになります。しかしこの内容は被告にとってはマイナスとなる質問となるため、果たして「連名」で全てをまとめて質問文が作成できるのか?正直難しいだろうと思っています。
全てがひとつでまとめられない場合には例えば契約の相手の確認だけ連名で、それ以外は原告単独で、裁判所の調査嘱託ではなく等々、、、今後、どんな展開で進めていくかは代理人に任せることにしました。とにかく何らかのやり方でまとめて西武信用金庫に対して次回期日(6月下旬)までに回答を求めることとなりました。
ここまでで今回の裁判は終了です。今回はいつもよりちょっと長い20分ぐらいで終わりました。
法的根拠と立証責任
提訴からもうすぐ1年ですが、まだこんなところまでしか進んでいないことは正直じれったいです。しかし、これが裁判の現実です。口頭弁論を続けて争点を明確化、法的根拠をもって立証する、その積み重ねだけであり、そこに原告・被告の一方的な解釈、主張、感想や想像には何の意味がありません。
例えば私としては
- 西武信用金庫は不動産鑑定士と共謀して反復的に不適切な融資を行ったとして金融庁から業務改善命令を受けている
- 私の融資に関しても同様なことが行われていた
- 不動産鑑定士は西武信用金庫からの依頼により不正な不動産鑑定書を作成したと確信している
- だから私は損害を受けた
として不動産鑑定士を相手取り裁判で争っています。しかし裁判所からは
- 私の案件に関して西武信用金庫と被告が共謀してどんな不法行為を行ったのか?
- その不法行為を立証する証拠は?
- その不法行為と損害の因果関係は?
- その不法行為による損害を避けられなかった理由は?
を問われています。
大事なことは「不法行為を立証するのは被害者側」です。また、被害者側が不法行為を立証したとしても当然に加害者側からの反論もあります。その反論に対して感情論ではなく「法的」に論破しなければならないのです。
また、仮に不法行為があったとしてもそれがただちに損害には結びつかず「なぜその損害を避けられなかったのかの立証も必要」ということなのです。
以前から何度となく書いていますが
不正≠不法行為 であり 不法行為≠損害
なのです。
過失相殺
不法行為の立証は最優先ですが、不法行為があったとしても損害を回避する策もあったはずなのにそれをやらなかったのでは?ということも含め「被害者側の過失はなかった(小さかった)」ことも立証する必要があります。
この過失に関しては今までの口頭弁論で主張、立証を積み重ねてきたと考えています。その中で残っているのが原告の主張を裏付けるものとしての「金融機関がどう判断したのか?」その見解をもらうための照会です。
この過失に関して例えばアパマン不正融資事件や住宅ローン不正利用事件においては、被害者側からの一方的な主張をよく目にしますが、過失の部分の言及はほとんど、いや全くされていません。嘘の書類を前提に激甘な審査を行い融資OKした金融機関にも問題はあるとは思いますが、果たしてそれは具体的にどんな不法行為なのでしょうか?いいとこ内規違反による懲戒処分、場合によっては始末書レベルでしょう。
そもそも被害者側の過失の可能性として
- 何を判断基準に契約、融資実行を受けたのですか?怖い人の事務所に監禁され強引に契約書に記名、押印させられたのならいざ知らず、その時点では契約書の内容に納得していたんですよね?
- 嘘の書類を金融機関に出したのは業者なのになぜ業者を訴えないのですか?
- あなたの融資契約に関して金融機関が不正をしていた証拠はあるのですか?
- 自己資金はどうしたのですか?二重契約をしていませんか?資産残高偽造を黙認していませんでしたか?または業者から一時的にお金を借りていませんか?これらは明確な不法行為です
- サブリースが切られたことと金融機関との間に何の関係があるのですか?サブリースを選んだのはあなたですよね?
- 高値掴み?その物件の適正価格は調べればすぐにわかったはずなのになぜ高値で契約したのですか?
- レントロール改ざん?なぜ契約書を事前に確認しなかったのですか?
- 修繕費用が想定外?そもそも人生最大クラスの買い物に対して現地確認したのですか?また、ちょっとネットで調べれば修繕費用も簡単に計算できたはずですよね?
- 住宅ローンが投資用不動産に使えないのは常識です。知らなかった、業者が大丈夫と言っていた等は理由になりません
騙したほうが悪いのは当然ながら、だからと言って「騙されたほうが悪くないとはならない」のです。
投資にせよ事業にせよ、その価値やリスクを自分で判断する、これは当然であり常識だと思います。契約しないという選択肢もあった中で業者や金融機関に言われるがまま契約・融資実行・所有権移転しておきながらあとになってなぜ金融機関だけが責められるのか?そもそも金融機関の不法行為とは何なのか?そして被害をアピールするのであれば同時に過失の有無も説明しないと世間の共感は得られないでしょう。
私の場合ですが、過失は一定部分で認めています。しかし、2019年5月24日に金融庁が発令した業務改善命令によって西武信用金庫及び不動産鑑定士が共謀して不正な融資を反復的に行っていたことが明らかとなってはじめて真剣に調査を行い、その結果として私の融資契約においても不動産鑑定士による不法行為があったとして提訴しています。この業務改善命令によって不正が明らかとなっていなければ気づけなかったことから私の過失は小さいと主張しています。
調停と裁判の違い
簡単に言えば調停(ADR含む)においては必ずしも不法行為の立証責任がありません。また、裁判においては被告は否が応でも応じなければなりませんが調停においては「応じない(不調)」という選択肢があります。
例えばかぼちゃの馬車事件。この事件、裁判で争えば全く違った結果になった可能性が高いと考えている人も多いと感じます。実際、私の個人的な見解としては、裁判をしたら被害者が負けただろうと思っています。しかし、不法行為はなかった(少なかった)ものの不適切な行為が多数あったことが立証されていた、だからスルガは面倒くさい裁判を避けて臭いものに蓋、ある一定条件下で和解した、被害者集団の作戦勝ち、そんな感じだと思います。
これはかぼちゃの馬車事件における被害者にとっては徳政令ですが、スルガの株主から見れば莫大な損失であることから株主代表訴訟になる可能性もまだ残っているように感じます。
ただし、柳の下に二匹目のドジョウはいません。アパマンや住宅ローンの不正融資問題に関して被害者個人が弁護士を探しても受任してくれる人が見つからないのはなぜか?極わずか、裁判に持ち込んだ人もいるが全て負けている(今のところ勝った人はいないと認識しています)のはなぜか?そして被害者の会・被害者同盟はなぜ裁判ではなく調停で決着しようとしているのか?火を見るより明らかでしょう。
私の場合、現在の被告は西武信用金庫ではなく不動産鑑定士です。その不動産鑑定士に対してまずは内容証明郵便の発送、それに無反応だったのでADRを2回申し立てたもののどちらも不調、そこで裁判、という流れになっています。当然ながら被告の不法行為、そしてその不法行為と損害の因果関係を立証できるという前提です。
逆に西武信用金庫に対してはADRに持ち込んだものの、その時点では西武信用金庫が不法行為を行ったとする立証が完璧にはできなかったため押しきれず、最低限の譲歩を引き出しただけで一旦和解しました。
この和解における前提条件は「西武信用金庫に不法行為はなかった」。今後、不動産鑑定士との訴訟や金融庁に対する情報開示請求によって新たに西武信用金庫の不法行為を立証できる証拠が出てくれば、先のADRの和解は「錯誤」があったとして取り消し、損害賠償請求も視野に入れて継続的に活動しています。
カモのデータベース
本来、この手の怪しい投資話に対して8割以上の人は引っかからないでしょう。さらに1割の人は少し考えてやっぱり引っかからない、結局、この手の甘い話に引っかかるのは1割以下の「ネギを背負ったカモ」であることを認識すべきです。
Twitterでのお金配りにエントリーする、そんな人たちもカモそのものです。これも8割の人は見送ります。そんなカモ集団は既にデータベース化されていますので、また次の被害(勧誘)に引っかかる可能性も高いものです。
そんなカモをターゲットに、有料で会員を募る被害者の会・被害者同盟や一般社団法人もその貧困ビジネスになっている可能性すらあることを意識して下さい。
もちろん誠心誠意対応してくれる集団もあるでしょう。ただ、それでも求めるべきは過程ではなく「結果」です。何ひとつ結果を出さない・出せないのに会員を集めて会費を徴収し情報収集と発信、法的な救済に繋がらない活動だけしている、そんな集団にはとっとと見切りをつけるべきだと思います。
参加するなら「自己破産、差押え、競売を止められる」「個人再生、任意売却以外の選択肢」「調停、裁判で勝った実績」そんなことをやっている集団に参加すべきだと思います。







