期待しかないSI被害者同盟及び弁護団の今後の活動

(2022年9月22日追記)
設立当時は一定の期待をしていた同組織ですが、その後の具体的な行動を見る限り「期待はできない」と判断しています。奇策とプロパガンダに徹し司法で決着という動きが全くないこと、これではこの問題を解決できるとは思えません。よって現在は全く支持していません。
第三者から見れば2021年5月25日、何の前触れもなく突然発表されたふたつの組織の設立。
両団体の発表を見るとしっかり連動して動いていることが感じられますので、この日まで水面下で準備してきたのでしょうし今後も連携していくのでしょう。
当日、このニュースを取り上げたメディアはまだ少ないですが、今後の展開によってはいわゆるかぼちゃの馬車事件以上の取り扱いになる可能性もあります。
何より今はコロナ禍により暗くて重い空気が漂っています。この何とも言えない閉塞感により多くの国民にフラストレーションが溜まっている状況、その捌け口を探しています。そのひとつが路上飲みであったり、オリンピック中止のアピールだったりします。
そんな環境において、本件は政府批判の格好のネタになり得るため、メディアや野党の取り扱いひとつで今後より大きなうねりになる可能性もあると思われます。
本件の肝
私が考える争点は
借り手の自己責任 vs 貸し手責任
今の日本の法体系においては原則「投資は自己責任」とされています。
- 貸し手責任は不明確、原則責任を追求されることはない
- 貸し手側に相当の過失や不正の証明ができた場合のみ一部の責任を負う場合もある
- 借り手の自己責任は原則100%負わされており、そこから逃れることは相当に困難
この前提が大きく変わるか?というところにあります。
本来、騙したほうが悪いのは当然なのですが、少なくても金銭的には常に「騙されたほうが悪い」。
被害者でも騙される前に防御できたはずである(契約しない等)、という論理構成になっています。
この原則が崩れたのがいわゆる「かぼちゃの馬車事件」での決着です。まるで徳政令であり、不動産業界にも大きな衝撃を与えました。ただし、これは異例中の異例。「シェアハウスという限定された未成熟なマーケットで起きた特殊な事例」として処理されました。
対して今回の動きは、以前から手を変え品を変え、ある意味一部では日常的に行われていた
アパマン投資におけるエビデンス偽造による不正融資
これは業界の今後に大きな影響を与える可能性があります。
本件における最大の焦点
スルガ銀行を主犯として戦えるのか?
これに尽きます。
一般的に不動産の取引における加害者は不動産業者です。その不動産業者は、宅建業法その他の法律によりその行動が縛られています。虚偽や改ざんはそもそもNGなのは当然として、事実に基づかない広告等すらもNGです(駅ができる見込み、○○が期待できる等の表現は禁止)。
対して金融機関は、本来第三者的な立場であるはずです。もっと言えば不動産業者(や借主)によって騙された被害者的な立場であるとも見えます。そして貸主である金融機関は、借主からの返済が滞れば「期限の利益の喪失」として抵当権を行使することが可能なのです。
不動産業者ではなくスルガ銀行を相手に戦うこと、これには相当高いハードルが待っています。ただ、この点に関しては、既にかぼちゃの馬車事件の弁護団として活動してきた中での知見があることを発表しています。
声明
スルガ銀行不正融資被害弁護団(略称:SI被害弁護団)結成
2021年5月25日スルガ銀行不正融資被害弁護団
私たちは、新たにスルガ銀行不正融資被害弁護団を結成して、スルガ銀行によるアパート・マンション(以下「アパマン」といいます)購入者への不正融資の実態を究明、追求し、被害救済に取り組むこととしました。
当弁護団の弁護団員の多くは、スルガ銀行・スマートデイズ被害弁護団(SS被害弁護団)のメンバーとしてシェアハウス等購入被害者の救済にあたってきましたが、同弁護団においては、シェアハウス被害の悪質性に驚き、何としてもこのような被害は根絶し、救済すべきという考えのもと、シェアハウス被害の救済に注力し、それと関連しないアパマン被害のみの方の案件は受任しないという方針でした。
しかしながら、シェアハウス被害に関連したアパマン調査を進めていくうちに、アパマン被害もシェアハウス被害でもその悪性の度合、手法は同じであること、莫大なアパマン売却・融資実行は実績追求に固執するスルガ銀行が仕組んだものであることが明らかになってきました。アパマン融資こそが不正融資の原型であり、シェアハウス不正融資は、その後にシェアハウスという派生物件を舞台にして、その原型が再現されたものだということが分かってきました。スルガ銀行は、遅くとも2015年以降頻繁に開催したセミナーに多数の不動産仲介業者を同席させ「スルガ銀行が融資するからどんどん売ってくれ、買ってくれ」と被害者を創り出したのです。シェアハウス被害の元凶はスマートデイズをはじめとした悪質シェアハウス業者でしたが、それに先行し、また併行してその数倍のアパマン被害を生じさせた元凶は実はスルガ銀行そのものだったことがわかりました。アパマン被害は、スルガ銀行が主体となって日本全国の不動産業者を指導して引き起こした事件なのです。
にもかかわらず、スルガ銀行は、本年9月以降は不当にも訴訟やADR以外の交渉は拒否する方針を一方的に明示し、アパマン被害者を追いつめるに至りました。アパマン被害者の多くは、35才から55才で社会及び家庭の中軸的存在です。被害者の多くが、仕事に手がつかなくなり、家庭崩壊の危機に直面しており、精神のバランスをこわして長期休職を余儀なくされた人、自殺を考えていた人なども少なくありません。
そのために、私たちは、新たに当弁護団を結成する決意をしたのです。
当弁護団は、上記の事実認識のもと、以下の3要件のいずれかを満たす被害者について案件を受任し、救済を実現する取り組みを致します。
① 給与明細・預金通帳等の融資資料を改ざんされて貸付された方
② 収益見通しがあるかのようにレントロール等を改ざんされて貸付された方
③ 物件を現実相場からかけ離れた高値掴みで購入をさせられたことが明白な方
当弁護団としては、議会、行政、メディアの関係者をはじめ各方面の方々にスルガ銀行によるアパマン被害の実態を知っていただくとともに、今後、このような被害がくりかえされることのないよう、被害者の皆さんと協力して、その解決に全力で取り組んで参ります。ご理解とご支援をお願い致します。
弁護団声明 | スルガ銀行不正融資被害弁護団 (si-higaibengodan.com)
未成熟なマーケットであったシェアハウスとは異なり、既に確立したマーケットであるアパマンへの融資に関しても同じように戦い結果を出せるのか?この一点に尽きるでしょう。
私が本件に期待している理由
業務改善命令を受けた西武信金に対して不正融資の被害者の一人として個人で必死に戦っている私。その私としても本件には大いに期待している点があります。それは不正融資に関して
貸し手責任による損害賠償請求や債権放棄を認めさせること
かぼちゃの馬車事件は特殊な事例であり、一般的な不動産投資における不正に対して、裁判で損害賠償請求を認められた例はほとんどないはずです。それが本件によって損害賠償請求や債権放棄に関する司法の判断が下れば、それが確定された事実として今後の判断基準になるのです。
裁判による判決は法律と同じ意味を成しますし調停等での判断結果も前例となり得ます。それによって私の戦いにも一筋の光明が見えてくる可能性がある、だからこそ結果に期待しているのです。そのためにはぜひ多くの集団となって徹底的に戦って欲しいと願っています。
不安点
ただし、やはりこの戦いには大きな不安があります。それは声明に記載されている3つの要件に関して。
① 給与明細・預金通帳等の融資資料を改ざんされて貸付された方
これを事前に知ってた上で契約を締結していたなら、その行為は不動産業者の共犯者。業者と共謀して金融機関を騙したことになるのでアウト!でしょう。
② 収益見通しがあるかのようにレントロール等を改ざんされて貸付された方
同上です。さらに収益判断など、本来、契約前に自分で調べて当然の内容です。
こんなこと、ネットで調べれば数10分でわかることです。例えば同じ程度の条件で家賃相場が5万円なのに買おうとしている物件が7万円で計算されている、これだけでおかしいと気づかなければなりません。また、空室率や原状回復費用も考慮しなければならなかったはず。
やって当然のことをやっていない、業者に言われたものを鵜呑みにした、これらは正に「自己責任」であり、本来は救われません。
③ 物件を現実相場からかけ離れた高値掴みで購入をさせられたことが明白な方
これも一般的には自己責任と言われてしまいます。
自分が買う物件の適正値は、自分で調べておいて当然です。路線価はネットに出ています。物件の構造、築年数、床面積から建物の価値も簡単に計算できます。この結果である「積算評価額」は誰でもすぐに叩き出せますし「収益還元額」に関してもちょっと調べればわかるはず。
さらにネットを見れば近隣の物件感もわかるはずです。同じような物件が3000万円でも売れていないのに、自分が買おうとしている物件は6000万円、これはどう考えたっておかしいと感じるべきなどです。
おかしい、リスクがあると感じたら契約しない、これが通常の人の判断です。なのに契約したのであればそれは自己責任と一般的に言われてしまうのです。
そして、仮に何らかの不正によって不利な条件で購入してしまったとしても収支が回っている、利益が出ていればたぶん文句は言わなかったと見られてしまいます。利益が出れば黙っている、損したら文句を言う、は一般的には受け入れられないのです。
さらに、価格がいくらであろうと売り手と買い手の合意の上で契約が成立し、対価を払って所有権が移動し成果物が買い手側に移っている、これは通常の売買であるとみなされます。骨董品などがいい例でしょう。100万円で買った壺が鑑定の結果3万円だった、なんてことはよくあることです。騙されたからチャラにしろ、は通常は受け入れられないのです。
スルガ銀行からは、当然のごとくこれらのことを追求してくるはずですので、それに負けないための理論武装が必要です。それを個人で準備するのは大変ですが、そんな大変な交渉事を実績十分な弁護団に委ねられることは大きなメリットだと思います。
かぼちゃの馬車事件で実績のある弁護団と一緒に戦えるのはとてつもなく大きなメリットです。躊躇している暇はないはずです。困っている人はこの波に乗るべきと考えます。








