金融庁の正義は間違っている

2022年10月17日

今月ももうネタがないため、今回は長期に渡って情報開示を求めて質問、追求している「金融庁」に関して書いてみます。

金融庁の任務

金融庁設置法によれば、金融庁の任務及び所掌事務等は以下のように定義されています。

金融庁設置法

第二節 金融庁の任務及び所掌事務等


(任務)
第三条 金融庁は、我が国の金融の機能の安定を確保し、預金者、保険契約者、有価証券の投資者その他これらに準ずる者の保護を図るとともに、金融の円滑を図ることを任務とする。
2 前項に定めるもののほか、金融庁は、同項の任務に関連する特定の内閣の重要政策に関する内閣の事務を助けることを任務とする。
3 金融庁は、前項の任務を遂行するに当たり、内閣官房を助けるものとする。

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=410AC1000000130

金融庁が保護すべきは「預金者、保険契約者、有価証券の投資者その他これらに準ずる者」すなわち

国民

であることは明らかです。そして、その国民を保護するための手段のひとつとして金融検査が行わているのです。

金融庁の根本的な問題

しかし、実際には金融庁は国民を軽視(無視)、逆に

金融庁は不正の加害者である金融機関だけを過剰に保護している

その一例として金融庁は西武信用金庫に対して「業務改善命令」という行政処分を下したにも係わらず、その不正の被害者である国民の救済に対して何ひとつ言及していません。そこで、被害者の一人として私は金融庁にその理由や、それができないのであればせめて不適切な行為を確認した資料の開示を求め続けていますが、今現在まで金融庁は国民の声を無視し続けているのです。

この過剰なまでの金融機関を保護する金融庁の行為は

金融庁自身が積極的に犯罪を隠蔽している

という疑念を抱かせるものとなっています。

業務改善命令の問題点

2019年5月24日、金融庁は西武信用金庫に対して業務改善命令を発令しました。しかし、この命令は過剰な加害者保護、被害者無視の記載となっています。

発令理由

第2.処分の理由

当局による立入検査の結果や信用金庫法第89条第1項において準用する銀行法第24条第1項に基づき求めた報告を検証(注)したところ、金庫は業績優先の営業を推進するあまり、内部管理態勢の整備を怠った結果、以下のような問題が認められた。

(1)投資用不動産向けの融資にあたり、形式的な審査にとどまり、不適切な信用リスク管理態勢となっている。
i. 融資実行を優先するあまり、融資審査にあたり、投資目的の賃貸用不動産向け融資案件を持ち込む業者による融資関係資料の偽装・改ざんを金庫職員が看過している事例が多数認められる。
ii. 投資目的の賃貸用不動産向け融資について、融資期間に法定耐用年数を超える経済的耐用年数を適用する場合には適切な見積りが不可欠である中、経済的耐用年数等を証する書面を作成する外部専門家に対し、金庫職員が耐用年数や修繕費用等を指示・示唆するなどの不適切な行為が多数認められる。

(2)反社会的勢力等との取引排除に向けた管理態勢が不十分である。

反社会的勢力等との取引排除に向けた管理態勢については、十分な経営資源を配分することなく極めて少人数の担当者に頼った取組となっているなど、組織的な対応が不十分となっている。特に、反社会的勢力等に関する金庫としての管理区分が限定的に運用されているなど、その管理手法は不十分なものとなっている。
このため、一部の営業店幹部は、監事から反社会的勢力等との関係が疑われるとの情報提供を受けていた者について、十分な確認を怠り、同者関連の融資を実行している。

(3)内部統制が機能していない。

 強い発言力を有する理事長に対して十分な牽制機能が発揮されておらず、上記(2)ⅱに関し、懸念を抱いた監事及び監事会から理事長に対し、複数回にわたって書面で調査を要請したにもかかわらず、理事長は当該要請を拒否し、組織的な検証を怠っているなど、内部統制が機能していない。

http://kantou.mof.go.jp/rizai/pagekthp027000005.html

私の事案は上記赤文字で記載した部分です。

ただ、金融庁が検査した本来の目的は「反社との密接な関係」の調査だったと感じています。その調査において別の不正も見つけてしまったことから発表せざるを得なかったのではないか?と個人的には受け止めています。

業務改善命令の内容の疑問

第1.命令の内容

信用金庫法第89条第1項において準用する銀行法第26条第1項に基づく命令

(1)健全かつ適切な業務運営を確保するため、以下を実行すること。
i. 本処分を踏まえた責任の所在の明確化と内部統制の強化
ii. 融資審査管理を含む信用リスク管理態勢の強化
iii. 反社会的勢力等の排除に向けた管理態勢の抜本的な見直し

(2)上記(1)に係る業務の改善計画を令和元年6月28日までに提出し、直ちに実行すること。

(3)上記(2)の改善計画について、当該計画の実施完了までの間、3か月毎の進捗及び改善状況を翌月15日までに報告すること(初回報告基準日を令和元年9月末とする)。

http://kantou.mof.go.jp/rizai/pagekthp027000005.html

責任の所在、内部統制、管理態勢、反社排除等は指示しているものの、処分の理由に明確に記載されている「投資用不動産向けの融資における不正行為」に関してはなぜか原因究明やその被害者救済を一切「不問」としているのです。

ダブルスタンダード

いわゆる「かぼちゃの馬車事件」においても金融庁はスルガ銀行に対して業務停止命令を発令しています。その中には以下の記載があります。

スルガ銀行株式会社に対する行政処分について

(3)健全かつ適切な業務運営を確保するため、以下を実行すること。

⑥ シェアハウス向け融資及びその他投資用不動産融資に関して、金利引き下げ、返済条件見直し、金融ADR等を活用した元本の一部カットなど、個々の債務者に対して適切な対応を行うための態勢の確立

https://www.fsa.go.jp/news/30/ginkou/20181005/20181005.html

単純に見れば

スルガ銀行に対しては具体的に被害者救済を指示いるのに西武信用金庫に対しては被害者救済を不問としている

と受け取れます。

このように明らかに差のある発令の理由に関して、私は幾度となく金融庁に質問してきましたが、金融庁からまともな回答はなく今現在でもその真意が全くわかりません。個人的には「西武信用金庫においては当時の理事長の首を取って手打ちにした」と勝手に受け止めています。

情報開示請求

金融庁はどんな事実をもってこの命令を発したのか?それを確認するために私は幾度となく金融庁に対して情報開示請求を行ってきました。その結果

金融庁は西武信金職員が不正の指示・示唆した証拠を大量に保有(487枚+10,429枚)しており、実際に258物件の不正を認定している

ということが明らかとなりました。そこで私はこれらの資料の開示を求め「一部開示」の決定が下ったものの、開示されたのは全ての資料において「西武信用金庫」という6文字の文字列のみでした。

これは被害者である国民を愚弄する悪意ある対応としか思えません。さらに情報公開法の趣旨にも著しく反している行為であるのみならず背任罪・特別背任罪、不正競争防止法違反の疑いのある刑事事件の可能性のある「証拠の隠蔽」とすら感じています。

審査請求

私は金融庁のこの対応を不服として「審査請求」を行っています。審査請求は既に諮問されこれから審議が進んでいくものと思われますが、この審査請求における金融庁からの反論が書面で提示されています。

この反論から読み取れる金融庁の主張は

不正(不法)行為の事実を隠蔽してでも金融機関の利益を守ること(=被害者を無視すること)は金融庁の正当な行為である

国民を保護することが法律によって定められている金融庁がこのような答弁をする時点で「この国の金融行政はどうなっているのか?」甚だ疑問です。

ただし、行政機関の大原則として「民民には関与しない」ということもあるかと思います。

私は何も民民に関与して欲しいとまでは言っていません。金融庁が民民に関与しないのであれば、その不正(不法)行為の事実を法律に則り然るべき対応を取ってくれればそれでもいいと思っています。例えば「刑事訴訟法第239条第2項」に基づく告発等です。しかし、金融庁はその告発も行っておらず、その理由も明らかにしていません。

この状態は法の趣旨など一切無視し

金融庁は国家権力によって得た唯一の情報を秘密裏に、自身の都合のいいように利用している=既得権益の維持

この所作は、情報公開法や金融庁設置法の趣旨に明らかに反しているだけでなく国家権力の乱用であると思っています。

国会議員の協力も不発

私は、このような金融庁の不審な対応を問題視し様々なチャネルを通じてこの問題をアピールし続けてきた結果、立法府である国会議員からもレスポンスがありました。

特にNHK党の浜田参議院議員には過去に2回の「質問主意書」の提出、さらには「諸派党構想政治版」というスキームを活用させていただき金融庁の国会担当部署に直接質問する機会も複数回得られました。しかし結果は暖簾に腕押し、全く噛み合わない論点ずらしの答弁が続くだけでした。

これ以上の議論には意味がないと判断し、このチャネルを通じた質問は一旦終了することとしました。

今後の予定

当面は審査請求の結果を待つしかないでしょう。ただし、その結果に至るまでには少なくても半年以上、1年程度はかかると思われます。また、その結果も期待できるものではないと想像しています。

よって、これはこれとして別の活動も粛々と続けていきます。